雪融かす密かな温もりこの指の触れしあたりの濡れているのを
照らされて柔き淵より融けし雪われの深部に染み込むやうに
いたづらに雪にさはれば温もりの皺だけ凍みる紅き両手に
日常のあまたのならひ埋め尽くすましろき雪はたのもしきかな
はじめてのましろき雪の便箋にあしあとふたつつけて愉しむ ※